2010年10月06日 23:54
こんばんは、緊急で記事の更新をさせていただく仙谷隆家です。まあアニメノチカラ第2弾の「閃光のナイトレイド」第14話なんですが、これは面白さというよりは、深さを感じる話でした。雪菜の能力と阿片の幻想、そして当時の日本・中国の情勢などが絡みつき不思議な物語を織りなしてくれます。

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それでは続きから書いていきます。しかしまだアニメノチカラは引っ張りますか・・・。ではいきましょう!
![]() 閃光のナイトレイド |

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昭和4年、世界大恐慌の影響で日本の主要輸出品であった生糸の値段も暴落させた。それによって日本の蚕を飼っていた農家は大きなダメージを受けたのだった。加えてその年の米の豊作によって、米の価格も大暴落。それによって農家の娘たちの運命は・・・。
話は戻って、中国人街で勢力を伸ばしている新興宗教の同院の地下に阿片窟があるという桜井の情報から、葵たちはそこにスパイの温床を叩くという意味合いも含め、潜入することに。葵と葛は地下の阿片窟の調査をしているのですが、その途中に雪菜の悲鳴が!
そして意識を取り戻す雪菜ですが、そこは見知らぬ中国人街で、彷徨った挙句迷ってしまいます。そんな雪菜に近づいてくる女の子が。名前は小燕。そしてお手玉で遊ぼうと言うのですが、1個しかもっていないと言う雪菜。しかしなぜかポケットの中にはそのお手玉がもう1個入っているのでした。そしてお手玉をして遊ぶ雪菜と小燕ですが、そのお手玉をしている途中で棗と少女が一緒にいる記憶が。そして我に返る雪菜ですが、目の前では小燕が老婆に連れて行かれる光景が・・・。どうやらある大臣に身請けをしてもらったということらしいです。これによって救われる身内がいるのだと語る老婆。それを聞いて雪菜は同院の阿片窟へ小燕を追って行くのでした。阿片窟を進むとそこには裸にされ、男たちに貪られようとする小燕の姿が。そして呼びかける雪菜に振り返る小燕はあるどす黒い煙を包まれるのでした。そして流れてくるのは中国社会の裏と表。そして意識を取り戻す雪菜ですが、そこには桜井たちがいるのでした。
どうやら同院にいた情報屋の記憶を読んでいるうちに、意識が引っ張られてしまったようです。そして帰ろうとする桜井たちですが、ここで情報屋の男が突然起きあがり叫び出します。お前たちの歩く下には、笑うこともできずにいる人々がいるのだと。そして自分は消えると言って、その部屋から突然消え失せるのでした。情報屋には小燕が身売りされたことが記憶の奥底にあったことを棗に話す雪菜。それを聞いて悪魔に魂を売ってでも助けたい気持ちはわかると言う棗なのでした。
そして突然聞こえてくるのは小燕のわらべ歌。そして雪菜の隣から棗はいなくなっており、仕方なく雪菜は小燕の声がする方へ歩いて行くのでした。そしてたどり着いたのは最初に意識を取り戻したあの部屋。中に入る雪菜ですが、そこには家具はなくなっているのでしたが、花の鉢植えは窓の外を歩いている女の子が持っているのでした。それはあの部屋の『おじさん』からもらったということですが、この少女は故郷に帰るのだと楽しそうに語ります。
それを見送った後、雪菜はお手玉をしているのですが、そこに棗がほっとした表情でやってきます。どうやら3日も連絡が無かったということで、心配していたとのこと。それを聞いてどこまでが自分の記憶で、どこまでが人の記憶なのか分からなくなる雪菜。そんな雪菜に棗はわらべ歌を知っていたのかと尋ねるのですが、それは棗が雪菜に昔教えてくれたのだと答えます。そして頭が少しおかしくなっている2人は、そのまま中国人街を後にするのでした。
掘り下げポイント
・夢か現か
今回は雪菜の記憶を読み取る能力を上手く使った幻想的な話でした。時系列が飛び飛びになっていて、どこがどこだかまさに迷路に迷い込んだような焦りや混乱が印象に残った気がします。お手玉がこの雪菜の記憶を曖昧にしているのかもしれませんが、それにはどれほどの思いが詰め込んでいるのでしょうかね!悲しみやつらさ、未練など色々な記憶が込められているのだと思いますが、それを雪菜が読みとってしまったのだからあのような状態に陥ってしまったのでしょう。
あそこに家にあったお手玉というのが幻想への誘いということでしょうが、それに阿片の起こす錯乱なども相まって、急激をストーリーが変わっていくのはホントに不思議な気持ちにさせてくれます。まさに私たち視聴者が阿片を吸ってしまって、幻想に魅せられているのではないかと雪菜を主観においてストーリーが展開されました。しかしそこにちらほらと映る棗の農村の記憶なども混ざっていて、ホントに何とも言えない演出です。
評価はあまりされないかもしれませんが、私としては白昼夢のような雰囲気にドキドキしてしまいました。しかし雪菜は演技が向上しているかも・・・。
・阿片の巣窟から見えるもの
今回記憶が混濁してしまった雪菜ですが、そのテーマはやはり「表と裏」。雪菜の記憶と他人の記憶の混濁もありましたが、それと同時に世の中に光が当たるところがあるのであれば、陰となる部分もあるということでしょう。自分たちが光のあたる場所にいるのであれば、当然陰の部分は見えないもの。そんな感じの闇をそれこそお嬢様の雪菜が感じてしまうというのが、絶妙ですね!農村などの貧しい人々はたくさんの子供を養うために何人かを身売りするということがありました。それは特に女の子が多く(男は労働力だったから)、その行き先はやはり阿片窟のようなところ。つまり人身売買ということですが、それの象徴として小燕を持って来たのですねー・・・。その実態を知った雪菜は世の中の闇も知ったわけですが、それは許されるべきではないことでも、救うためには悪魔に命を差し出すくらいのことをしなければならない。それくらいの覚悟が必要だと描かれています。それを実際にしたのが情報屋で、それに共感できると棗も言うあたりホントにつらい選択なのでしょうね・・・。
ただ今回は最後、身売りを免れた少女を最後に描いています。それは小燕のような子と対比することで、ホントに深い演出になっているのですよね・・・。ホントに締め方と言い、完全に何か心に残る気持ちになりました。ただ今の人ということで私も根底は感じられていないのかもしれませんが・・・。
しかしアスミスは演技が上手いですね!あと金元さんもかなり頑張っていました。やはりこの作品には演技力は必要不可欠なんでしょうかねー。
コメント
hoge | URL | -
第14話は、もうひとつの見方として、最終回第13話の後日談という裏設定があるような気がします。第13話で棗が死に、死ぬ間際に自分の死を雪菜に知らせないで欲しいと蔓と葵に頼みます。その後、高千穂 勲の死を目の前にしながら「誰か。。」と力なく声を発する雪菜。静音とともに能力を最大限まで開放した後、葵は行方不明、静音は記憶を消され、といった状況で、雪菜は一体どうなったのでしょうか。そういった視聴者の疑問に応えようとしているように思えます。第14話は桜井等と共に活動している場面が出てくるため、6.5話という扱いですが、実は、兄の勲や、それ以上の存在である棗の死を受け入れられずに精神に支障を来たした雪菜が自身の能力を制御できなくなり、幻想の中でずっとループしているような、いわゆる壊れてしまった状態を表す話だったのでは。14話の中で、「長いこといなかったのは、あなたのほうでしょう」と棗に向かって少し納得のいかない表情の雪菜の言葉は、実は棗が死んで、そのことを伝えられずにずっと帰ってこない状態が続いたのではと想起させる場面です。エンディングテーマの「未来へ」の歌詞はあきらかに、雪菜と棗の関係を歌い上げたものではないでしょうか。
( 2010年12月01日 03:27 )
仙谷隆家 | URL | -
Re: hogeさん
コメントありがとうございます。いやはやホントに私以上によく考えておられます。・・・自分の読みの甘さにほとほと自己嫌悪に陥ります。(笑)
なるほど、雪菜が壊れてしまったという考え方はまさに、正鵠を得ている感じがします。結局何が現実で何が幻なのか雪菜自身分からなくなっていましたし、最後のシーンでも結局アレが本当の物語なのかどうかも・・・。阿片窟の人と雪菜の精神が同じような境遇として描がいていると考えれば、さらに物語は深さを増していきそうです。そして結局アニメ本編では語られなかった雪菜と棗の間柄をここで描いていると考えれば、すんなりいきますね!
ホントにコメントありがとうございました、不勉強な私には有り難いものとなりました!!
( 2010年12月01日 21:00 )
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