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ムシウタ 10.夢偽る勇者 ネタバレ・感想

2010年04月29日 15:16


ムシウタ 10. 夢偽る聖者
岩井 恭平著
出版 : 角川書店 発売 : 角川グループパブリッシング


 こんばんは、今日は少し時間があるので、「ムシウタ」10巻のネタばれを書いていこうと思います。それでは早速書いていこうと思います。内容が8割、感想2割くらいだと思います。

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内容

プロローグ

 南金山叶音と喜多沢環の2人は小学校の時より前にある男の人と出会っていた。彼はこの国ではαと呼ばれていると言い、化け物に追いかけられていると。そして自分も化け物だと言うのでした。それを聞いてカノンはこう言うのです。
「だいじょうぶです。カノンたちがたすけてあげますよ。カノンたちはプリンセスとナイトですから。バケモノなんてやっつけてあげます。バケモノなんで、けしちゃいます。プリンセスはマホーがつかえるし、ミカタもいっぱいいるんです。」
とそれが多くの人を巻き込んでいく嘘になるのでした。
 そのことを思い出す『カノン様』ですが、その前には信徒たち。そしてその中で彼女はある虫憑きを生贄にささげると考えます。そのためにいままで嘘をついてたのだと。そして彼女は火種1号ハルキヨ、秘種1号“ふゆほたる”を打ち滅ぼし、特別環境保全事務局との決戦をのたまい、聖戦を宣言するのでした。


1.(小さなウソ)

 喜多沢環は虫憑きになり、高校生となって友達のストーカー相談で見事解決させるような頼れる女の子になっていました。しかし彼女には裏があり、それを解決させたのは“虫”の力。ただ彼女はこの平凡な生活に飽き飽きしていたのでした。
 そこに偶然、女の子が路地裏に引っ張られていく姿が、それがカノンとの出会いだったのでした。そしてカノンを環の“虫”の能力で特別環境保全事務局火種3号“霞王”に変身し、彼女を助けようとするのですが、その時に環が昔のことを思い出して、面白半分にカノンが“虫”を消すことができるように見せるのでした。それによって周りの虫憑きたちは助けてくれと嘆願します。そして環は満月の夜に1階だけ虫を消し去ることができるというウソをつきます。それを聞いた周りの虫憑きはカノンに従い始めるのでした。
 しかし本当はそんな力を持っていないカノン。どうやら家出しているようでどうも生活力がないようです。それを見て環が昨日の虫憑きたちにカノンを守ってくれるように言い、自身はカノンのウソを現実にするために奔走し始めるのでした。一方、カノンの取り巻きも日に日に増えていき、たちまち数十人になるのでした。



2.(環の地下要塞潜入)

 カノンはウソつきですが、ウソをつくのが下手でなのである。一方環はウソをつくのが上手で、彼女に頼ってばかり。そして噂で“霞王”がまだ健在ということが噂で出てきて、それによってカノンの力が疑われます。それを環が誤魔化すのでした。それでも明日が満月で、ついに結果が出ます。それを感じて、環はついに行動に移すのでした。楽しくなってきたと感じながら。
 “霞王”になり特別環境保全局の地下要塞に潜入する環。そして“みずち”の力も使って、本物の“霞王”の暗殺を計画します。途中で“コノハ”によって、偽物とばれてピンチになりますが、ここで今度は“コノハ”の能力を他人のイメージからコピーして本人を見つけ、脅します。
 一方、カノンの前には新しい虫憑きが。どうやら親に見放されて、ぐれてしまったようですが、それを見てカノンは親がウソでも戻ってこいとおびえながら言った家族の優しさを引き合いに出し、帰れる場所があるなら帰りなさいと諭します。そしてそのために自分が来たという少年は本音を語るのでした。それを聞いていたニィはついに自分のことをぽつりと話し始めます。そして自分が生き残りだと語り、自分たちはハルキヨに潰されたと言うのでした。
 環はどうにか“コノハ”を特環の戦闘員からのイメージで探り出し、特環の応援までも退けるのでした。そして“霞王”のもとに急ぐのですが、そこを通り過ぎようとしたときにハルキヨに遭遇するのでした。しかしそれは遥香の“虫”の能力で、それに環も気付きます。むりやり遥香にハルキヨをイメージさせて挽回し、ついに退けることに成功するのでした。しかしハルキヨの能力の強さから自分の夢を喰われることを感じながら。そして自分の状態を認識して“霞王”暗殺をやめ、カノンのもとに急ぐのでした。
 そして“虫”消しの儀式が始まります。それを途中で環扮した特別環境保全事務局の戦闘員がカノンに攻撃を仕掛けて、“虫”が消されたと錯覚させたのでした。


3.(大きなウソが自分に迫る)

 環の働きでカノンの環境は変わって行きます。服も住居もなにもかも。そして買い取ったお城でついにカノンはお姫様・カノン様になったのでした。信徒としていままでの人々の信仰を浴びて。
 一方、“霞王”との戦闘で“なみえ”が負傷したことを聞いて心配する詩歌。原因は虫憑きの少女の保護。そしてそれをし果せたようです。保護した少女はとても強い“虫”を持っているようで、将来的には戦力になるとみな期待するのでした。そこに七那が現れますが、どうも少し様子がおかしいです。そして自分の支援を打ち切るということとカノンのところへの勧誘を高らかに言い出すのでした。それを聞いて唖然とする“むしばね”ですが、その七那が偽物と分かり、全てがウソであったが、それを聞いたものにはとても魅力的なものだったのでした。
 ニィはカノンの“虫”を消す能力以外の何かを感じていた。それを感じて焦りを覚えるのですが、そこに鯱人の登場事態は動きます。鯱人の動きから特環ではないかという疑惑を感じて、ついにニィが力を発揮します。彼のハルキヨへのトラウマがこう動かしているようです。彼は戦友の月桂樹を使って、鯱人に迫りますが、そこでカノンに止められます。そして彼女の優しさについに落ち着くことができるのでした。
 環は円卓会のメンバーをも手玉にとり、αに向かって突き進みます。それはカノンのウソを現実にするため。そしてそのスリルにわくわくしているのでした。しかし、αの秘密は一乃黒以外は秘匿とされているようです。
 そして次の満月が来て、“捨て地”のお城・“キャッスル”でイチの“虫”を消すカノン。それを見て歓声を上げる信徒たち。そして環はイチが取引で“キャッスル”から彼が消えたことを聞かされるのでした。以前彼はどこにも行かないという言葉を言っていたのに。悲しみに暮れるカノンに茶深が現れて、“虫”を消した演技をしたのはイチになりすました環で、本物の彼は環に欠落者にされてしまっているのでした。それを茶深によって見せられたことで、ついに環が怖くなり、“キャッスル”を逃げだすことを考えるのでした。


4.(カノン様への生け贄は・・・)

 翌朝、ニィは最近の“捨て地”の発展を見て、驚いていた。そして彼もその作業の一端をやろうとしているところに、変装したカノンが彼の乗る車に乗り込んできます。そして彼は全速力でこの“捨て地”を出ようと命令するのでした。「ここにいたら、みんなタマちゃんのウソに殺される。」と言って。
 一方環はαの隠されている倉庫を見張っている虫憑きなどの調査をしています。そして今回は様子見だけで“キャッスル”に帰ります。しかしそこでカノンが逃げ出したという事実でした。それを感じて環は『カノン様』になり替わり、ウソをどこまで本当にできるか、試し始めるのでした。
 ニィとも別れ、1人になったカノンは自分の無力さに打ちひしがれて知らない街をさまよっていました。そしてついに限界になったときにニィと再会するでした。彼はカノンに友達だと言って、救えないならいいと元気づけるのでした。そしてその時に“むしばね”と特環の追跡劇を目の当たりします。そしてそれを追っていくとそこには、“むしばね”と特環の“聖戦”という戦いがありました。それを見ていたカノンはついに我慢できなくなり、環のもとを目指すのでした。
 『カノン様』と信徒たちはαの隠されている倉庫に攻撃を開始します。番人の少年も強力な力で応戦しますが、環の意考えた月桂冠の応用技で歯が立たず、αを奪われてしまします。それを聞いた“むしばね”には激震が。その場にいる七那のお冠です。そしてそこにカノンを乗せた車が来るのですが、それに詩歌1人で戦うというのでした。しかしそこに来たカノンは詩歌にお願いを。『カノン様』を止めてほしいと言うのでした。
 特環の支部を破壊して回る『カノン様』たちですが、そこに真打ちのハルキヨと殲滅班が来ます。しかしそのハルキヨは遥香の偽物で、環は本物が来るように言うのでした。
 そしてカノンは詩歌たち“むしばね”を連れて、捨て地に侵攻します。一方反対側からはハルキヨが攻撃しているようで、詩歌を筆頭に走り出すのでした。


5.(カノンの答え)

 環はカノンのウソを見守ることを決心して、信徒たちに聖戦を宣言します。それは冒頭のあの『カノン様』のシーンです。そしてカノンと詩歌の前に環扮する『カノン様』が姿を現すのでした。『カノン様』の言葉に賛同してしまう詩歌に焦るカノンと“むしばね”ですが、最後に彼女のウソを見抜きます。そして自分が弱いからということがウソだと見抜き、恐ろしいと言います。そしてその言葉の攻防を見て、カノンは詩歌の強さを知るのでした。そして『カノン様』は戦線を引き、他の他の信徒に任せます。そしてその時ニィはハルキヨのもとに走って行ってしまうのでした。
 自分たちが強いと自負していた南中央支部の4人組ですが、それをずたずたに引き裂いたハルキヨ。そのリベンジに燃える元火種3号“あかおに”ですが、対面したハルキヨはまたしても歯牙にもかけない様子です。そして恐怖で体が硬直するニィですが、カノンを試すというハルキヨの言葉に環と勘違いしていると合点するのでした。しかしそこに現れた『カノン様』に攻撃をしながら、本物に会わせろと言い出すハルキヨ。そしてその言葉を聞いたニィは恐怖に打ち勝って月桂冠の加護を利用して、ハルキヨを怯ませるのでした。その隙に「カノン様」たちはキャッスルに逃げ込むのでした。一方、やられてしまうニィ。しかしハルキヨは興味を持ったようで、最後のとどめを名を聞いてから差すのでした。
 そして“キャッスル”で最後の戦いが始まります。月桂冠を最大限に使った技で、ハルキヨ率いる殲滅班と詩歌率いる“むしばね”を撃破しようとする『カノン様』。しかし力は限界のようで、カノンを見た環は倒れこんでしまうのでした。予定通り生贄になったのは環だったのです。
 環はカノンを神様にするためにお膳立てをしてくれたことに気付きます。そして環は自分たちはウソつくしか能がないのだと言います。それを聞いたカノンは死のうとしている環を助けてと言いますが、信徒たちは耳を貸しません。彼らの望む言葉は「“ふゆほたる”とハルキヨを倒せだから」。そして意を決してカノンは言うのでした。
「ぜーんぶ、ウソでした」
と。それを言ったカノンにバカと環は言うのでした。彼はこの先に進む道には楽しさがないからと。そして信徒たちを詩歌に託すのでした。


エピローグ

 聖戦が終わった“捨て地”に1人でいるカノンの前に、大怪我をしたニィが現れます。彼はハルキヨに止めを刺されずに、ここまでどうにか来たのだと言います。そして欠落者になっていくニィ。そこに“大食い”エルビオーネが現れます。そしてカノンは自分の夢を口にしてしまい、虫憑きになってしまうのでした。彼女の能力は1人の“虫”を預かる代わりに、己の一部を失うというものでした。ニィを救ったカノンは自分の声を失ってしまうのですが、それを契機にこのまま消えようと決心するのでした。しかしそうはいかないという感じで、“かっこう”が現れるのでした。



感想

 ウソをつくことしかできない全く対照的なカノンと環の物語ですが、最終的にはカノンのウソがエルビオーネになってホントになってしまいましたね。そして最後の“かっこう”の登場はなにを意味しているのでしょうか?もう“かっこう”もボロボロですから・・・。今回は環という名参謀の活躍で“キャッスル”という組織が出来上がり、最後はカノンが神様になると思われましたが、結局最後はウソをつくことで失ってしまうものに気付いたカノンによって壊されてしまいましたね。ウソをつくことしかできないということですが、それだけじゃ駄目だといろいろな虫憑きたちを見て成長していくカノンは印象的でした。

 全体的なことに少しだけ。対比が印象的だったような気がします。カノンと環、カノンと詩歌、“かっこう”と“あかおに”とその2者の違いが今の立場の違いなのかもしれません。だから一歩進めば、今の立場から変わることができるこう言いたいのかもしれません。

 あとはハルキヨが反則クラスで強かったり、なんだかんだで詩歌が成長しているのが印象的でした。亜梨子はまだ眠っているようです。しかし茶深は物語に入ってこれるのでしょうかねー。地味ですから・・・。そして最後の最後に大助の登場でしたが、カノンを何かに使うのでしょうかね?とにかく次の巻が楽しみです!

 久々のわくわく感ありがとうございました!!
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