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小説せかんど~

2009年09月21日 00:00

 こんばんは、しつこくも第2回目の更新です。まだまだ起承転結の起がだらだらと核心に行かず続いていきます。

 それでは追記の方に書いていきますので、読んでいただける方はよろしくお願いします!!

 来週までには「灼眼のシャナ」のネタバレみたいなの書きます!!まあ、ビュアーの方がそんなの望んでいるかわかりませんが・・・。
 彼女は、「夏川高って言うんだ。」と一言呟いて、気にせず校門から学校に入って行った。季節外れの『転校生』だというのに、彼女にみんな親しい仲であるように声を掛けてくる。美和も当然のようにあいさつを明るく返す。まったくいって不思議な現象である。ただ、美和は、人知れず小さな声で一人言つ。

「さすが、プジュル!普段はただのやる気のない猫畜生なのに、こういう事だけは器用よね。」

 美和は満足げに予定通り下駄箱に靴を履き替え、階段を昇り、予定通り教室に向かう。来るまでに大体の記憶操作・情報操作の概要はいつも通りプジュルから聞いていたので、難なくこの学校に馴染めそうだ。今回は、何日ぐらい楽しい思い出を刻めるのだろうか。彼女は、1年5組、自分のクラスとなっている教室に入って行く。

 すると、教室に入って早々美和の姿を見つけて2人の女の子が手を振りながら言う。

「おはよう、美和!」

 が、片方が耳を甘噛みしてきた。

「ひやぁ!マリーやめて、なんか生理的に嫌。」

 マリーと呼ばれた娘が、少し焦って言う。

「ごめんごめん、美和。なんか美和可愛すぎてついついしちゃうんだよ。だけど、嫌なんて、私伊田茉莉は今日初めて言われました~。」

 なんか不満そうであり、寂しそうな女の子がマリー、前述通り伊田茉莉だ。

「そ、そうだっけ?あんまり普通じゃないよ、その愛情表現。(プジュル~、帰ったらどうやって遊ぼうかな♪また悪いことしちゃったなあ♪♪)」

 美和は、外面的には苦笑いして困っているように見えるが、内面的には黒い笑顔が吹き荒れている感じになっている。

「まあまあ、毎度毎度美和とマリーは元気よねえ。」

といつの間にか2人の間に入った大人の女の子が明日原かすみ、愛称すみ子。

 美和は、まだ見ぬもう一人の『親友』がいないので、気になって聞いてみる。

「そういえば、亜季は?」

 が、2人とも分かんないと答えるだけだった。話を変えようとするように、すみ子が別の話題を振ってきた。

「あっ、そういえば〈花鳥風月〉さんの占い見た?」

 美和は少しドキッとしたが、平静を装いながら明るく答える。

「えっ?そういえば、まだ見てなかったよ。どうだったの?」

 すみ子は、自分の愛読雑誌〈latest views〉を取り出して占い欄を見始める。目がとても楽しそうだ。

「まず、マリーの方がおとめ座だから…。あっこれかな、《愛しいあの人に嫌がられることがあります。気をつけましょう。》」

「って、当たってるじゃない。すごいね、この占い師。美和とワタシのリリーな関係が急に破局するのを見越してる!」

 マリーは驚いて言う。

「まあ、対象を一人に絞ればおそらく百発百中だよ、たぶんこの人。ある業界では、誰でも知っている有名人だし。」

 美和はボソッと誰にも聞こえないくらいの声で呟く。今にもあの天真爛漫な笑顔の和風美女が目に浮かんでくる。今頃このことも予想できているんだろうな・・・。

「ん?どうかした、美和?」

 不思議そうに顔をのぞくすみ子。

「んーん、なんでもない。すごいねこの人。私のはどうなってるの?気になる気になる~。」

 はしゃぎながら、美和が尋ねる。

「えーと、美和はふたご座…。《予想外の出来事に狼狽します。これを乗り越えられれば、運気の上昇が見込めます。頑張ってください。猫は、大事にしてくださいね。》ですって、なんか良くないらしいですね。ただ、最後の猫はちょっと理解に苦しむよね。」

 すみ子は苦笑して言う。対して、美和も同様に苦笑して答える。

「…まぁ、そうだよね。何かすごく心当たりありまくりなんだけど。(最後の絶対私へのメッセージだよね、…絶対。)」

 すると、突然美和のバックの中のケータイがバイブする。

「あっ、私のだ。ちょっとごめん。」

と言って、美和は屋上の踊り場まで走っていった。下からはシトラス色の響きがあった。まだ始業のチャイムまで20分ほどある。
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