2009年09月07日 01:09
それでは失礼します。たぶん2・3週間に1回のペースで更新していくと思います。もう少しはやめることも出来ますが、これぐらいがいいでしょう。
空はスカイブルー、草木は新緑を迎えている。辺りには誰もいない。灰と青と緑がベースの風景だ。そして、元気よく口ずさむ。
「桜は桃色!空は水色!葉っぱは緑!コンクリートは…灰色?…そして、オレンジジュースはやっぱ黒でしょ!」
…何か方向違いな言葉が聞こえた気がした。すると、肩あたりに何かの気配が現れ、一刹那に少女の顔を爪だけが実体化して掠める。
『馬鹿、橙色でしょ!それか、オレンジ色!まったく馬鹿美和、一体いつまで常識がずれているんだよ!しかも、コンクリートで、三点リーダと疑問形のオプションまで付くのよ!』
「痛い痛い引っ掻かないで、プジュル~。あっ、血が出てるよ~。いつものことだけど、女の子の顔に傷つけるなんてひどいよ。コンクリートのことは謝るよ、私が至らないせいで。」
すると、最初の方は明るく笑いながら、後の方は苦く笑いながら、また気配が消えていく。
『あらごめんなさ~い。だけど、少し残念な美和ちゃんにはお似合いだわ。コモンセンスのかけらもない。あっと私は消えるわ、学校が見えてきたから、じゃあね~。ただ、なぜ訂正はコンクリートだけなのよもう…。』
というと学校に向かう気配は実体がある少女1人になった。顔の引っ掻き傷はいつの間にか治っていた。
「うう~、プジュルぅ~帰ったらぁ、お仕置きだからねぇ~。」
少女は、しかし泣いてはもういなかった。そして、ぱっと明るく表情を変え、のたまう。
「冗談はここまでとしますかっ。さてと、今回の仕事に取り掛かりますかっ!高校なんて久しぶりだな。一度でいいから3年間高校生活してみたいなぁ。」
何故か最後の一言にだけ羨望の色が見えたがここでは気にしなくとも良いだろう。一気に少女は普段着から制服姿に変わった。周りには人がいなかったが、いたらどう思うのだろう。
季節外れのしだれ桜の残り花だけが、静かに舞っていた。
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