」の簡易草子の日ですが、予想外に時間がかかって火曜日になっていました。それくらい難しかった回でしたが、じっくりと仕上げましたのでどうかご覧になっていただければ幸いです。さて、話題の中心はいつもの4人組ではなく、楓が志保美りほさん,八色ちもさん,藤井みそのさんの話を聞いて成長するという物語。しかし、何となく考えさせられてしまいましたね。
概略
憧憬の路の片付けの日、楓はまだ竹原に残っていたりほに会います。そこに「ほぼろ」店主(以下、ちも)が現れますが、彼女にただいまと言うりほなのでした。その日の昼休み、堂郷が告白せずに終わった話題をする楓,かおる,のりえ,麻音ですが、色んなのことがあったとしみじみと呟く楓。ちもとりほが仲良くなり、一緒に住んでいるようで、それが朝の出来事。憧れのりほにいつでも会えるようになったことを嬉しく思う楓なのでした。

りほのファンになったのは中学の時にたまたま借りた空の写真が始まり。そんな気持ちに思いを巡らしながら、日の丸写真館に行く楓ですが、そこにいたのはこまち。どうやらお爺さんのカメラを貰ってフィルムで撮っているようですが、その写真を見せてもらい驚く楓たち。楓の写真を見ていいなと思ったこまちですが、その話で繋がっていると思うかおると麻音。そして楓もマエストロから写真を受け取りますが、それをりほに見てもらうことを提案するかおるなのでした。

ちもとりほの気が合っているのを目撃する楓たちですが、りほは「ほぼろ」店主の本名を「八色ちも」と知っているまでになっていました。ちなみに「ほぼろ」の意味は、広島弁の「ほぼろを売る」(離婚)ではなく、虫が島を食べちゃった「ほぼろ島」から。そんなときにお客さんが見ますが、そこで空じゃない写真を撮っているりほを見る楓たち。かおる,のりえ,麻音が先に帰り、りほに写真を見せる楓ですが、どれも良いと漏らすりほ。竹原に馴染んできたから、撮っても撮ってももっと撮りたくなるのだと語るりほですが、そこでりほが空の写真だけを撮っていないということでホッとしたと言う楓。ただ、それに対してりほは今空の写真を撮っていないのだと教えてくれます。「行き先のない切符」をそこでりほに見せる楓ですが、りほは唐突に呉のカサブランカに行こうと楓を誘います。突然のことでビックリする楓ですが、応諾するのでした。

呉に向かう途中で、話が弾む楓,りほ,ちもですが、そこでりほが写真を辞めようとしていることを感じる楓。カサブランカの店主の藤井みそのに会う楓,りほ,ちもですが、そこに2人組の男が来ます。美園の実験メニューを試食してくれているようですが、かなりの味のようで・・・。片方のお客さんの白井の写真を見て、呉に住み続けないと分からないことがあることに気付いたのだとしみじみ語るみその。みそのはちものイラストレーターの先輩でしたが、お互いにお好み焼きとカフェをするようになったのは驚きだったようです。自分たちは欲張りなんだと明るく述べるちもとみそのですが、それを感慨深げに聞いているりほなのでした。

ちもが竹原のおばちゃんに捕まってしまったので、楓とりほが「ほぼろ」へ2人で行くことに。りほが写真を辞めると楓が思っていたことを見破っていたりほですが、楓が写真を辞めたら寂しいと漏らします。ただ、それでも自分の夢であるから誰にも止められないのだと。そういうものだと語るりほですが、自分たちも欲張りだと笑います。ちなみに、りほは写真は続けるとのことでした。
掘り下げポイント・繋がる思いがある中で 今回の中心の人物の1人である楓から、まず書いていこうと思います。楓はりほの空の写真に惹かれてファンになったようですが、それは写真展に行くほどの情熱でした。(OVA参照)そんな楓の気持ちを違うのが今のりほ。やはり、自分のしたいことが分からなくなってきているようなのでした。
楓はりほに憧れており、一方でこまちに憧れられている存在。繋がりという言葉が麻音から語られましたが、まさに的を得たものだったと思います。そのようなことに関して、りほが相手を好きだから喜んだり悲しんだりするのだと言っていましたが、それでも最後に決めるのは自分。それくらい自分たちは欲張りなんだとまとめていました。
楓は以前りほに言われた通り、やりたいものを探すことを続けるとは思いますが、一方でそれを見つけても、また別のことがしたくなるかもしれない。それにこだわりがあるとしても、最後に決めるのは自分なんだと考えているようです。それが自分の人生であり、自分を縛るのは自分自身しかないということなんでしょうね。
今まで同学年としか触れあって来なかった楓が、ちょっぴり大人になったという感じがします。しかし、まずは楓がやりたいものを見つけられるかどうか・・・。一方で、りほも人間なんだから悩んでいることを感じられたのはよかったかもしれませんね。
・『欲張り』な人々 今回のゲストで目立っていたのは、ちもとみその。こまちもそれなりには存在感がありましたが、やはり後半の大人の方々は良い事を言っていましたので、こちらを優先したいと思います。ちももみそのも最初はイラストレーターとして働くことを夢だと思っていたかもしれませんが、そのうちにある場所に留まってその町の変わるものと変わらないものを見たいと思ったようですね。
夢が変わったのではなくて、イラストだけでなく、その町に馴染みたいとも思ったということでしたが、夢というのは1つとは限らないんですよね。1つの夢を叶えると新たな夢が出てくる、それは普通の感覚でそれはある意味『欲張り』かもしれませんが、一方で人間らしい感性だなと思います。
普通の人間でもそのようなことはある(環のことがあるかも・・・)と思いますが、自分はイラストレーターという仕事をしているからこそそのような信念に柔軟に感じているともいます。芸術を志すものは何となく自分に正直なんですよね・・・。ただ、ちもとみそのが同じような夢を持ったのは何となく、イラストレーターという職業柄なのかお互いの気持ちが似ているからなのかは少し気になるところですね。
・「行き先のない切符」になって 今回は楓の憧れの志保美りほをピックアップします。りほは今どうやら自分のやりたいことが見つからない様子。だからちものお好み焼きを作っている写真や子どもの写真、近所のおばちゃんの写真などを撮っているのかもしれません。自分でも「行き先のない切符」と自分のことを言っていましたが、りほの年になりますとやはり楓のようにゆっくりとやりたいものを見つけることは難しいじゃないかと思っています。
それをりほ自身が分かるからこそ、アバンや前半の宙ぶらりんな状態だったのでしょう。何となく写真を撮っているという感じに自分には映りました。しかし、ちもやみそのの話を聞いて、自分が『欲張り』なことに気付き、これからもやりたいものを探していく。個人的には楓の写真を見ていたりほの雰囲気から竹原に住むことで、その景色を見ていきたいと感じているようにも見えましたが、果たして・・・。
終始悩んでいるように見えたりほですが、最後には晴れやかな表情を見せてくれたので、少しは大丈夫になったのかもしれませんね。やっぱり、変わることは難しいですしね・・・。
最新コメント