概略
幼きヒューイは「白き少女」と話をしていた。「
ダンタリアンの書架」はこの世のすべてだと話す少女ですが、ヒューイに2冊の幻書を渡します。そして、書架の扉が開く前に出ていくようにと言われるのでした。そして、走り出そうとするヒューイですが、寂しげな少女にまた来るねと言うのでした。

リルバーン卿の屋敷に仕事に出かけるヒューイとダリアン。祖父のリルバーン大佐の蔵書を引き継いだと言うエステラですが、ウェズリーには本の鑑定を依頼していたようなのでした。仕事を引き継ぎ鑑定を始めるヒューイとダリアンですが、ヒューイはエステラがどうしてこんな辺鄙な場所に住んでいるのかと訝しみます。そんなときに、エステラの従兄で後見人でもあるマーティン・ギースが来ます。エステラがここにいるのは今までの婚約者が1人残らず殺されている『呪い』があるからだと。さらにその呪いは両親や何人もの使用人にも降りかかったと。共通点はエステラをこの屋敷から連れ出そうとしたことだということでした。原因は本だと言うギース曰く、どうやら祖父の隠した本があるようですが・・・。

スクラップブックを持って来て、あてがわれた客室で調べを進めるヒューイですが、50年以上前から100人以上の人が行方不明になっているということです。しかし、それもピタッと止まり、数十年のときを経て、再び事件が起きたのだと。幻書は知識であり、持っているだけで呪われる本はないと吐き捨てるダリアン。そんなときにヒューイは夜に外を歩くエステラとギースを見つけますが、時は0時。1人になるのが怖いダリアンは必死にヒューイの部屋に居座ろうとしますが、そこでギースの悲鳴が。ヒューイとダリアンが駆けつけると、そこには血まみれのエステラと殺されたギース、そして謎のゴーレムがいるのでした。ギースを連れ去って行くゴーレムですが、ヒューイはエステラに話しかけます。それに対してエステラはどうも不可思議な様子で・・・。

翌朝、ゴーレムが幻書を持っていると予想するヒューイを真っ向から否定するダリアン。「胎児の書」という幻書が原因だとは突き止めますが、そこからの調査でリルバーン大佐の妻は移民ということに辿りつきます。そんなときにエステラが来ますが、ヒューイへのアプローチで気が気でなくなるダリアン・・・。ギースの連れてきた使用人は姿を消してしまったようですが、この仕事が終わったらいなくなると言ったヒューイに突然ナイフを突き刺すエステラなのでした。

ヒューイは本を胸に隠しており、大丈夫だった様子。ダリアンは呪われた本ではなく、呪われた一族の末裔の娘であることが原因だと話しますが、どうやらリルバーンの一族には激しい殺人衝動のある女性が生まれるとのこと。大佐は妻や孫娘が天性の殺人者だと知り、ゴーレムに殺人の痕跡を消すようにと命令していたようです。ゴーレムにターゲットにされたヒューイですが、そこでダリアンに扉を開ける権利を与えられ、「スティクスの楯の書」,「ウガリットの粘土板文書」を詠唱するヒューイ。それでも倒れないゴーレムですが、ヒューイは「胎児の書」が大時計なのだと理解します。そして神の雷を放つヒューイですが、それによって倒れる大時計が自分たちのいる方へ、逃げるヒューイとダリアンですが、そのままみんなと一緒にいると残るエステラ。そして、大時計は倒れていくのでした。

ディスワードの屋敷に戻って、リルバーン家の新聞記事を読むヒューイとダリアン。ヒューイは呪われた一族というものに疑問を感じますが、それに対してダリアンは一族に代々特定の教育をしていたのかもしれないと憶測を伝えます。そして、ダリアンはいつの間にかエステラのような髪型になっていますが・・・。
個人的解説 今回の「胎児の書」は原作「
ダンタリアンの書架」第2巻第4話の話ですが、基本的にはあまり分からない描写は少なかったと思います。ただ、幻書についてはまだあまり詳しくは語られていませんので、これを今回の解説にします。幻書はあくまでも本の知識で、本を置いておくだけでは通常災いは起こりません。読むとなると適格者でないものに災いを齎すのですが・・・。今回のケースは「胎児の書」は大時計のカリオンの音色でしたが、こういうパターンもあるということです。
ヒューイがなぜ幻書を読んでも大丈夫なのかというと、「
ダンタリアンの書架」の鍵守であり、それは本に愛されたものであるから。本に愛されれば基本的には全ての「幻書」を読めるということらしいです。ちなみに普通の人が読むと、すぐに精神に異常をきたすようです。それでもヒューイが疲れていることから、誰が読んでもそれなりにはダメージを負うのはデフォなのですがね。
「白き少女」はちなみに「
ダンタリアンの書架」の司書のような役割をしていますが、それは今後語られると思います。ちなみに、原作でもまだ本当の核心までは語られていません。
個人的感想 ダリアンがヒューイに気を許しすぎに感じる人もいると思いますが、その前に何個か事件を切りぬけているので気にしないで下さいね。さて、今回のエステラ役が川澄綾子さんですが、やはりああいった感じの役をすると非常に素晴らしい演技を発揮します。まあ、どんな役であっても良い仕事をする役者さんですが。
今回はダリアンを愛でるだけの回ではなく、幻書の得意な例の例示がメインでした。幻書だけが災いを出すのではなく、また幻書の形態は本だけではない。そういった面を見せることに関しては良かった回だと思います。他のストーリーの中にはグロすぎて出来ないのもあるので、比較的良かったかなと・・・。
基本的にはあまり臨場感のない
アニメに感じると思いますが、これが平常運転ですので、気長に見ていてくださいね。たぶん、カミラが出てきたらダリアンとの絡みが面白くなると思うのですがねー。
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