2010年07月03日 15:43
「創世よ」by〈螺旋なる蛇〉〈王冠〉の位 タブラ・ラサ
こんにちは、やっと2日間かけて書き上げました。レンタルマギカの最新刊です。今回はいつきの巧みな行動で、〈協会〉と〈螺旋なる蛇〉を驚かせました。そして最後はやはりあの方の状態が・・・。あとはヘイゼルの過去が気になるところ!

レンタルマギカ 白の魔法使い 三田 誠著 税込価格: \620 (本体 : \590)発行年月 : 2010.7
それでは続きから書いていきましょう。良かったら拍手くださいな!!ちなみにこれを2万ヒット記念にさせていただきます。訪問ありがとうございます!!

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第1章 魔法使いの選択
〈アストラル〉社長の伊庭いつきはイギリスの〈協会〉による元〈アストラル〉取締役のユーダイクス・トロイデのもとを訪れていました。それは〈銀の騎士団〉との魔術決闘の2週間後であり、〈協会〉でのその結社との友好契約宣言の2日後でした。そしてユーダイクスは自分の作り出した妖精眼の制御のためのコンタクトレンズの診断をしてもらいます。どうやらそのコンタクトレンズはもう1人の妖精眼を持つフィン・クルーダが使っていたものを参考にしていたということでした。その時の会話で、〈協会〉副会長のダリウス・レヴィには気をつけるように警告されます。そして最後に「お前は司の息子だ」といつきに言い放つのでした。それを嬉しく感じるいつきはそこを去ります。
外を出るとヘイゼル・アンブラーがいて、他愛のないやり取りをするのですが、そのうちにある計画の話になります。それはどうやら〈協会〉まで巻き込む嵐になりうるもののようです。そしてふといつきはヘイゼルに司がどんな人か尋ねますが、影崎の登場で煙に巻かれてしまうのでした。
ホテル・リンボに戻ったいつきですが、そこには葛城みかんとラピス、黒羽まなみの姿が。そして〈協会〉の〈アストラル〉担当兼〈銀の騎士団〉渉外役のクロエ・ラドクリフもいます。彼女はどうやら〈アストラル〉との魔術決闘の後もずっと担当をしてくれているようです。そしてここでオルドヴィーン・グラウツの焦って外から戻ってくるのですが、彼が見たのは〈協会〉の『魔法使いを罰する魔法使い』影崎だったのでした。その影崎にいつきはダリウスに会わせるようにお願いするのでした。
一方スラウの荘厳な屋敷に2人の魔女がいました。それは穂波・高瀬・アンブラーとアディリシア・レン・メイザース。彼女らは〈学院〉時代の話を経てから、いつきのことで話をします。今回のダリウスといつきの会談は一筋縄では行かないということでした。ただいつきの変化によってどうなるかは結局のところは分からないそんな感じで考えています。そしてアディリシアは穂波にもしも〈アストラル〉と対立することになったらどうするか尋ねます。そして穂波は貸し出し魔法使い(レンタルマギカ)としていつきと争うのだと。一方アディリシアも心にある思いを押し込め同意するのでした。
ロンディニウムにいつきは招聘され、ダリウスと対峙します。ダリウスのペースに飲まれ絶体絶命の状況に陥りますが、ここで〈銀の騎士団〉騎士総長であるジェラール・ド・モレーの登場で仕切り直しの機会をもらい、〈螺旋なる蛇〉の目的を知っているというカードを切ります。そしてそのままの勢いで、いつきは〈アストラル〉に〈螺旋なる蛇〉への対策結社としての権限を要求するのでした。それに対して〈銀の騎士団〉の存在もあって、ダリウスは飲まざるを得なくなってしまうのでした。
第2章 魔法使いたちの策略
〈協会〉の『魔法使いを罰する魔法使い』穂波と猫屋敷蓮はいつきとダリウスの会談の結果に驚いています。そして彼女らにも〈アストラル〉への監視役の命令が下ります。ここでも穂波は貸し出し魔法使いとして〈協会〉に従うと言いますが、猫屋敷の質問応対からどうも心の中では悩んでいるようです。それを知って猫屋敷は嬉しく思う反面、自分の過去に到達できなかった境地に彼女はいるのかもしれないと気にしているのでした。
いつきはクロエとともに京都の戦いで捕らえられたフィンのところへ向かいます。そしていつきはフィンにあるお願いをするのですが、言う前にフィンが了承します。やはり彼はいまだに願望器のままにようです。一方いつきたちとは別の場所でヘイゼルがオルドヴィーン、みかん、ラピス、黒羽に事情を説明。その中でオルドヴィーンはいつきとフィンが太陽と月のようだと考えます。そしていつきはフィンを使って何かをするということが判明します。それでオルドヴィーンたちは〈協会〉にも〈螺旋なる蛇〉にも悟られないようにある儀式を完成させることを始めるのでした。
フィンはこの後テンプルという地域に移されます。そこでクロエがフィンに尋問をします。そしていつきとフィンの関係を問いますが、説明できないと言うフィンに取り乱すクロエ。その様子を楽しんだフィンはここでクロエにも願いを叶えてあげると言いますが、クロエはその申し出を拒否しますがこれで彼の危険性を理解するのでした。最後にクロエはいつきの願いを尋ねます。それはいつきの右目に紅い種を戻すこと。そしてフィンからクロエに質問が。今回は穂波とアディリシアがいるのかというものですが、それに対してアディリシアはいないと。その言葉を思い浮かべていたクロエは穂波とアディリシアを太陽と月と考えているのでした。
そして場所は変わって、ダリウスと影崎。紅い種の要求ですが、それを影崎の回復に使おうとも考えられるのですが、それも危険なことのようです。影崎の後継者として、自身は穂波と猫屋敷を指名しています。そして彼らや〈アストラル〉を使い潰すのだと言うダリウス。最後にダリウスはいつきの起こした波風が大きくなっていること得体のしれない感情で呟くのでした。そんな時にアディリシアがダリウスのもとを訪れるのでした。
大英博物館を臨時休館にして、行われるいつきの計画。これには〈アストラル〉、〈銀の騎士団〉、そして〈協会〉からは影崎と穂波と猫屋敷という人員。そしていつきは先に〈協会〉側に会って、明日の実施を宣言するのでした。一方イーストエンドには〈螺旋なる蛇〉の面々が。〈永遠〉メルキオーレ、〈礎〉、ガラがいるのですが、そこに何と生命の樹の頂点である〈王冠〉ダブラ・ラサの霊体が現れるのでした。
第3章 白の魔法使い
大英博物館には、〈アストラル〉からいつきとみかんとラピス、〈銀の騎士団〉ジェラール・ド・モレー率いる騎士団、〈協会〉の影崎と穂波と猫屋敷。そしてフィンがいるのですが、ここでいつきはフィンの妖精眼との糸を使って類感魔術を行います。そしていつきは視たい歴史のために自分の右目に紅い種が戻っても良いと語るいつき。そして『魔女狩り』の真実に手が届きそうになったところで、まさかの侵入者。それは真っ白な霊体である〈王冠〉タブラ・ラサであったのでした。
タブラ・ラサはいつきたちに紅い種を渡すのなら、今までのことは不問にすると言い放ちます。そしてここで彼女は魔法をこの世界に満たして、魔術と科学の優劣を逆転したいのだと語ります。ここで思想の危険性を感じて動く〈協会〉の3人の魔法使い。そしてその中で穂波がミストルティンの槍を作り上げタブラ・ラサに迫るのですが、〈永遠〉メルキオーレが割って入るのでした。
一方、ツェツィーリエの捕らえられている塔の近くで、オルドヴィーンは〈礎〉との戦いに。黒羽の援護も得て〈礎〉を撃破しようとしますが、そこにツェツィーリエが現れ形勢が逆転。どうやらガラが先頭の最中に救出したようですが、どう考えても〈協会〉がここを捨て石にしたことは明らかでした。そしてさっきの〈礎〉の言葉を思い出し、本命はいつきの方にいるのだと悟ります。だから、オルドヴィーンはここを早々に戦線離脱することにしようとしますが、さらに〈螺旋なる蛇〉の〈慈悲〉の座であるサタジットが現れるのでした。
第4章 集いし魔法使い
さらに〈螺旋なる蛇〉は〈尊厳〉のジェイクも登場して、これで3人。穂波はメルキオーレに、猫屋敷はジェイクに対峙します。どちらも〈協会〉の呪物を潤沢に使った戦いで、〈螺旋なる蛇〉側は苦戦に陥ります。その戦いの中で、いつきは穂波たちの本来の使い方を理解し、今までの自分のやり方では不十分だったと分かるのでした。そしていつきにジェラールが話しかけてきて、この乱戦をいつきの妖精眼とジェラールの〈銀の騎士団〉で打開しようと進言するのですが、それをいつきは待てと返すのでした。そして形勢が決した猫屋敷とジェイクですが、ジェイクが呪物をここで発動させ何らかの魔術を使うのでした。
一方、オルドヴィーンと黒羽はサジタット、〈礎〉、ツェツィーリエと対峙しています。サジタットはここで仲間に事情を説明して、どうやらメルキオーレとジェイクが苦戦していると話します。そしてここでサジタットはジェイクの呪物に呼ばれたのだと言い、大英博物館に瞬間移動を実行するのでした。
そしてついに9人の幹部のうち7人も集まった〈螺旋なる蛇〉ですが、ここで紅い種が手に入ったということで退却をタブラ・ラサが宣言。その直後にダリウスがトートの槍を発動して、タブラ・ラサを捕らえます。そして影崎に〈螺旋なる蛇〉の始末を命じるのでした。しかしここでタブラ・ラサもトートの槍を使います。どうやら12の魔法結社との合意によるバックアップでこれが成し遂げられたようです。
どちらの力も強力なものの、決定打を打ち出せない両者。その拮抗状態の中、ツェツィーリエがいつきに奇襲を仕掛けます。しかしそれをクロエが阻止し、そしてここで満を持してアディリシアとユーダイクスが登場。どうやら先日のダリウスへのアディリシアの訪問はユーダイクスの引き取りであったようで、それはクロエを使者として使ったようです。そしていつきはユーダイクスにこの術式を止めることを命令して、両者の術式が弱まります。この瞬間、いつきは〈協会〉と〈螺旋なる蛇〉に魔術決闘を進言します。それぞれメリットがあることを理解する両者は、〈アストラル〉に紅い種を預け、今日のところは停戦をするのでした。
終章
〈螺旋なる蛇〉と〈協会〉が接触を果たし、〈アストラル〉が魔術決闘の仲介を行ったことは世界中の業界に知れ渡ります。そして後日ダリウスはヘイゼルと遭遇します。彼女は、自分はトートの槍の対策を聞かれただけで、それ以外はいつきがやったのだと白状します。そしてダリウスは最後に去り際にまた同僚が廃人にならないようにと警告して去っていくのでした。
一方穂波と猫屋敷はいつきだからこの案が生まれたが、それは成長によるものだと微笑ましく思います。そしてその時に影崎が来て、〈螺旋なる蛇〉の〈王冠〉タブラ・ラサの正体と告げるのでした。そしてその少女はある洞窟の神殿で眠りにつくとのことですが、どうやらいつきを気に入ったようです。そうして彼女は眠りにつくのですが、するとすぐに姿が消えてなくなります。そこにいたサジタットとメルキオーレは魔術決闘までに彼女を完成させると話します。どうやら彼女はこの2人の生成物だったのでした。
そして〈アストラル〉へ。アディリシアに紅い種の保管を頼むいつき。どうやら〈ゲーティア〉が〈アストラル〉に与しても許される状況になっているようです。ここでアディリシアは〈螺旋なる蛇〉や『魔法使いを罰する魔法使い』の姿を見て、自分も力を得なければならないと考えます。それはいつきへの気持ちを代償にしなければならないと感じるのですが、それに悩むのでした。そして〈螺旋なる蛇〉の目的が判明。どうやら創世によって化学が魔法には敵わない世界を作るようです。それは名前の通りの意味だったのでした。
そして最後に隻蓮は司をついに発見するのですが、司はどうやら9年間以上もの間、結跏趺坐を組んで眠っているとのことでした。
感想
今回はいつきの成長が見れた回だったと思います。特にあの〈協会〉と〈螺旋なる蛇〉にトートの槍の無力化というカードを見せて、その後に両者の魔術決闘を提案するという機転は驚きました。猫屋敷が言うようにいつきしかできないことですが、昔のいつきではできなかったというものでしょう。穂波や猫屋敷、そしてアストラルの社員たちだけでなく、いつきも確実に成長しているということでしょう。まさかあのユーダイクスに褒められるとは思いませんでしたが。(笑)
そしてついに〈王冠〉タブラ・ラサが登場しましたが、どうも違和感があると思いきや、生成物でしたか。降霊術と道教の組み合わせの結果のようですが、どうなんでしょうね。なんとなく〈竜〉なのかなとも思ったりするのですが、それは意思を持ちませんからねー・・・。とりあえず、やはり〈螺旋なる蛇〉はなんか全員強そうです。まあ前回のロンドンでの戦いの時よりは穂波と猫屋敷に押されていましたがー。
そして今回も悩みまくりのアディリシアですが、そろそろ対価としていつきへの気持ち差し出しそうな予感がします。それでアオダモイ級の魔神が召喚できそうですが、そうなったらなんかアディリシアはもう戻れないような・・・。まあ魔術は人を孤独にするものですから、仕方ないのかもしれませんが・・・。
最後にヘイゼルが廃人にしたのはおそらく司でしょうね。なんかずっと眠っているようですし、それはなんかの反動なのでしょうか?とにかく次回くらいで司の失踪の謎も見えてきそうな感じがします。それと同時にいつきの越えなければならない試練も現れそうな予感が・・・。
クロエも加わったようないつき争奪戦もありますし、次回にも目が離させませんね。しかしフィン×いつきを想像しないでください、クロエさん!なくはなさそうですが、あまり好ましい結果ではありませんから!!
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〈協会〉の『魔法使いを罰する魔法使い』穂波と猫屋敷蓮はいつきとダリウスの会談の結果に驚いています。そして彼女らにも〈アストラル〉への監視役の命令が下ります。ここでも穂波は貸し出し魔法使いとして〈協会〉に従うと言いますが、猫屋敷の質問応対からどうも心の中では悩んでいるようです。それを知って猫屋敷は嬉しく思う反面、自分の過去に到達できなかった境地に彼女はいるのかもしれないと気にしているのでした。
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第3章 白の魔法使い
大英博物館には、〈アストラル〉からいつきとみかんとラピス、〈銀の騎士団〉ジェラール・ド・モレー率いる騎士団、〈協会〉の影崎と穂波と猫屋敷。そしてフィンがいるのですが、ここでいつきはフィンの妖精眼との糸を使って類感魔術を行います。そしていつきは視たい歴史のために自分の右目に紅い種が戻っても良いと語るいつき。そして『魔女狩り』の真実に手が届きそうになったところで、まさかの侵入者。それは真っ白な霊体である〈王冠〉タブラ・ラサであったのでした。
タブラ・ラサはいつきたちに紅い種を渡すのなら、今までのことは不問にすると言い放ちます。そしてここで彼女は魔法をこの世界に満たして、魔術と科学の優劣を逆転したいのだと語ります。ここで思想の危険性を感じて動く〈協会〉の3人の魔法使い。そしてその中で穂波がミストルティンの槍を作り上げタブラ・ラサに迫るのですが、〈永遠〉メルキオーレが割って入るのでした。
一方、ツェツィーリエの捕らえられている塔の近くで、オルドヴィーンは〈礎〉との戦いに。黒羽の援護も得て〈礎〉を撃破しようとしますが、そこにツェツィーリエが現れ形勢が逆転。どうやらガラが先頭の最中に救出したようですが、どう考えても〈協会〉がここを捨て石にしたことは明らかでした。そしてさっきの〈礎〉の言葉を思い出し、本命はいつきの方にいるのだと悟ります。だから、オルドヴィーンはここを早々に戦線離脱することにしようとしますが、さらに〈螺旋なる蛇〉の〈慈悲〉の座であるサタジットが現れるのでした。
第4章 集いし魔法使い
さらに〈螺旋なる蛇〉は〈尊厳〉のジェイクも登場して、これで3人。穂波はメルキオーレに、猫屋敷はジェイクに対峙します。どちらも〈協会〉の呪物を潤沢に使った戦いで、〈螺旋なる蛇〉側は苦戦に陥ります。その戦いの中で、いつきは穂波たちの本来の使い方を理解し、今までの自分のやり方では不十分だったと分かるのでした。そしていつきにジェラールが話しかけてきて、この乱戦をいつきの妖精眼とジェラールの〈銀の騎士団〉で打開しようと進言するのですが、それをいつきは待てと返すのでした。そして形勢が決した猫屋敷とジェイクですが、ジェイクが呪物をここで発動させ何らかの魔術を使うのでした。
一方、オルドヴィーンと黒羽はサジタット、〈礎〉、ツェツィーリエと対峙しています。サジタットはここで仲間に事情を説明して、どうやらメルキオーレとジェイクが苦戦していると話します。そしてここでサジタットはジェイクの呪物に呼ばれたのだと言い、大英博物館に瞬間移動を実行するのでした。
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どちらの力も強力なものの、決定打を打ち出せない両者。その拮抗状態の中、ツェツィーリエがいつきに奇襲を仕掛けます。しかしそれをクロエが阻止し、そしてここで満を持してアディリシアとユーダイクスが登場。どうやら先日のダリウスへのアディリシアの訪問はユーダイクスの引き取りであったようで、それはクロエを使者として使ったようです。そしていつきはユーダイクスにこの術式を止めることを命令して、両者の術式が弱まります。この瞬間、いつきは〈協会〉と〈螺旋なる蛇〉に魔術決闘を進言します。それぞれメリットがあることを理解する両者は、〈アストラル〉に紅い種を預け、今日のところは停戦をするのでした。
終章
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そして〈アストラル〉へ。アディリシアに紅い種の保管を頼むいつき。どうやら〈ゲーティア〉が〈アストラル〉に与しても許される状況になっているようです。ここでアディリシアは〈螺旋なる蛇〉や『魔法使いを罰する魔法使い』の姿を見て、自分も力を得なければならないと考えます。それはいつきへの気持ちを代償にしなければならないと感じるのですが、それに悩むのでした。そして〈螺旋なる蛇〉の目的が判明。どうやら創世によって化学が魔法には敵わない世界を作るようです。それは名前の通りの意味だったのでした。
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感想
今回はいつきの成長が見れた回だったと思います。特にあの〈協会〉と〈螺旋なる蛇〉にトートの槍の無力化というカードを見せて、その後に両者の魔術決闘を提案するという機転は驚きました。猫屋敷が言うようにいつきしかできないことですが、昔のいつきではできなかったというものでしょう。穂波や猫屋敷、そしてアストラルの社員たちだけでなく、いつきも確実に成長しているということでしょう。まさかあのユーダイクスに褒められるとは思いませんでしたが。(笑)
そしてついに〈王冠〉タブラ・ラサが登場しましたが、どうも違和感があると思いきや、生成物でしたか。降霊術と道教の組み合わせの結果のようですが、どうなんでしょうね。なんとなく〈竜〉なのかなとも思ったりするのですが、それは意思を持ちませんからねー・・・。とりあえず、やはり〈螺旋なる蛇〉はなんか全員強そうです。まあ前回のロンドンでの戦いの時よりは穂波と猫屋敷に押されていましたがー。
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